2026年2月27日
肥満症を伴う糖尿病治療について
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●糖尿病診療ガイドラインでは肥満を伴う糖尿病の治療方針は大きく進化しました |
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2024年に「糖尿病診療ガイドライン」が改訂されました。
今回の改定では、肥満を伴う糖尿病の治療方針は大きく進化しました。これまでは「血糖値を下げること」が最優先でしたが、新しい基準では「肥満症の治療(体重管理)」が血糖管理と同じくらい重要であると強調されています。
肥満・肥満症の診断
肥満とは、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、身長と体重から算出されるBMI(Body Mass Index)が25以上のものと定義されています。
BMI = 体重kg ÷ (身長m)2
BMI25以上で判定される肥満に、11の肥満関連疾患※を有する場合肥満症と診断されます。
※11の肥満関連疾患:耐糖能障害(2型糖尿病を含む),脂質異常症,高血圧,
高尿酸血症・痛風,冠動脈疾患,脳梗塞・一過性脳虚血発作,
脂肪肝,月経異常・女性不妊,睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群,
運動器疾患,肥満関連腎臓病
何kg体重を減らすか
無理に20代の頃の体重や、標準体重まで落とす必要はありません。まずは現体重の3〜7%(例えば70kgの方なら2〜5kg)減らすことを目標にしましょう。
これだけで血糖値だけでなく、血圧やコレステロール値が改善し、将来の心筋梗塞や脳卒中などのリスクが大きく下がることが分かっています。
肥満を伴う2型糖尿病への薬物療法について
減量のために食事療法や運動療法での努力はもちろん大切ですが、それだけでは結果が出にくい場合、ガイドラインでは「体重減少効果のある薬」の優先的な使用が推奨されるようになりました。
具体的には、余分な糖を尿に出す飲み薬(SGLT2阻害薬)や、食欲を自然に抑えて代謝を改善する注射薬(GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬)などです。
これらは、心臓や腎臓を守る強い味方でもあります。

※GLP-1は胃の動きを抑制する効果と、中枢への食欲低下作用を持っています。
この効果によってGLP-1製剤は、ストレスを強く感じることなく、食事摂取量を減らすことができるので、血糖値改善とともに減量を望んでいる方に望ましい製剤です。
★一人で悩まず、医学の力を借りましょう
肥満は単なる「意志の弱さ」や「食べ過ぎ」だけの問題ではありません。
体質やホルモンバランスが関わる病気です。
「頑張っているのに痩せない」と一人で抱え込まず、自分に合ったお薬や生活習慣について、当院でご相談ください。
★肥満症についてはこちら

