2025年12月24日

日本高血圧学会ガイドライン2025
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・わが国を含めた世界のガイドラインのほとんどが共通して、 診察室血圧140/90mmHg以上を高血圧の定義としている ・正常血圧 診察室血圧<120/80mmHg 家庭血圧 <115/75mmHg ・目標血圧は「すべての方で130/80mmHg未満」に統一 |
- 血圧目標は「すべての方で130/80mmHg未満」に統一
新版では、年齢や合併症にかかわらず、一律で診察室血圧130/80mmHg未満を推奨しています。
この目標は、心血管イベントの発症リスクを軽減するという強いエビデンスに基づいています。また、家庭での血圧では、125/75mmHg未満を目指すことが望ましいとされています。
- 家庭血圧の測定がより重要に
ガイドライン2025では、従来以上に「家庭血圧(朝晩の測定)」を重視しています。これは、病院での測定には「白衣高血圧」が影響しやすく、家庭での測定がより日常の実態に即しているためです。家庭での記録を通じて、医師とより具体的な話ができるようになります。
- 生活習慣改善(減塩・運動など)と薬治療の段階的融合
ガイドライン2025は、まず減塩・運動・体重管理・禁煙などの生活習慣改善を重視。その上で経過を見て目標に至らなければ、早期に薬を併用する方針へと明確化されました。
また、高齢者や合併症のある方などには、個別的にリスクとメリットを評価したうえで治療の調整が必要とされています。
- デジタル技術・行動支援の活用強化
ガイドライン2025では、尿中のナトリウム/カリウム比の評価や、スマートフォンアプリ・家庭血圧記録器を使った血圧管理など、患者さんの行動変容を支えるツールの活用が広く推奨されています。日々の記録が「意味あるデータ」に変わり、検査や治療の精度が向上します。


