2026年8月05日

甲状腺血液検査
当院で実施している甲状腺血液検査
現在当院では、甲状腺の機能を調べるために甲状腺ホルモン検査、サイログロブリン、自己抗体検査を中心に血液検査を行っています。甲状腺ホルモン検査とサイログロブリンについては既にご説明していますので、今回は自己抗体検査(TRAb、TSAb、TgAb、TPOAb)についてご説明いたします。
自己抗体検査(TRAb、TSAb、TgAb、TPOAb)
これらの検査項目の結果は、疾患の原因特定と治療効果の評価、経過観察に利用します
自己抗体とは
私たちの体には、もともと「自分」と「自分以外」を見分け、自分以外を排除するシステム(免疫)が備わっています。しかし、何らかの原因でこの免疫機能に異常が生じると、自分自身の体の一部を「異物」と勘違いして攻撃目標にしてしまいます。この時作られる異常な物体が自己抗体です。
自己抗体が自分自身の体を攻撃し続けることで起こる病気を自己免疫疾患と呼び、甲状腺では、バセドウ病や慢性甲状腺炎(橋本病)などがこれにあたります。
TRAb(TSH受容体(レセプター)抗体) 2 .0IU/L未満
甲状腺ホルモンは、通常下垂体から分泌されるTSH(甲状腺刺激ホルモン)が、甲状腺細胞にあるTSH受容体にくっつき、刺激することで分泌されます。ところが、これに対する自己抗体TRAbが出来ると、TSHに代わってこの受容体にくっつき、甲状腺を刺激し続け、甲状腺ホルモンを過剰に作らせてしまいます。これがバセドウ病です。TRAbはTSH受容体に結合するすべての抗体の総称(刺激型、阻害型、中立型を含む)で結果がすぐに出るため、診断や治療効果の判定に広く使われます。

TSAb(甲状腺刺激抗体) 110%以下
TRAbのうち、実際に甲状腺を刺激してホルモンを過剰分泌させる抗体の刺激活性を測定しています。結果が出るのに時間がかかるため、一般的にはTRAbが使われますが、甲状腺眼症の評価をする時などに行われます。
TgAb(抗サイログロブリン抗体) 5.0IU/mL未満
サイログロブリンは、甲状腺ホルモンを作り、貯蔵する上で欠かせないたんぱく質です。TgAbはこれに対する自己抗体です。橋本病、バセドウ病、その他炎症や腫瘍などの甲状腺疾患でもみられます。
TPOAb(抗ペルオキシダーゼ抗体) 3.0 IU/mL未満
ペルオキシダーゼは、甲状腺に含まれており、ヨードに働きかけ甲状腺ホルモンを作る酵素です。TPOAbはこれに対する自己抗体です。橋本病でもバセドウ病でみられます。
診断基準
バセドウ病、橋本病の診断には、それぞれ特徴的な症状に加え血液検査結果を合わせ診断されます。
バセドウ病
頻脈や、眼球突出など特徴的な症状に加え、甲状腺ホルモン(FT3、FT4)過剰、TSH低下、TRAbが陽性。
橋本病
甲状腺腫大に加え、TgAbまたはTPOAbが陽性。
★当院での甲状腺の検査と診察についてはこちらもご覧ください
