自己血糖測定について
自己血糖測定について

自己血糖測定(SMBG:Self Monitoring of Blood Glucose)とは、医療用の簡易血糖測定器(血糖値を測定する為の機器)を用いて自身で血糖値を測定することです。血糖値の測定は医療機関で採血にて実施していますが、簡易血糖測定器を用いることで、いつでも血糖値を知ることができます。
簡易血糖測定器の特徴として、必要な血液量がごく少量(米粒やゴマ粒)でも血糖値を測定することができます。とても小さいため持ち運びが簡単に出来ます。
医療機関の外来で糖尿病の血糖管理の状態を確認するために、血糖値とHbA1cの測定が行われています。外来で測定する血糖値も、採血の条件(食前、食後からの時間、運動や間食の有無など)を確認して評価します。HbA1cは過去1~2ヶ月での血糖コントロールの状況がわかり、その値が7%以上だと最小血管合併症のリスクが高くなるなど、非常に重要な検査項目です。
外来での血糖値、HbA1c測定は非常に重要な検査ですが、夜間の血糖値や、低血糖症状がある時、自家用車の運転前の血糖値確認など、自己血糖測定が必要になるケースは多くあります。また、どんな食事を摂ったらどれくらい血糖値が上がるのか、どのような運動をどれだけ行えばどれだけ血糖値が下がるのか、ということをご自身で確認し、知ることができます。
自己血糖測定を導入すると、血糖値のコントロールが改善しやすいと報告されています。
血糖値を適正にコントロールして、合併症の発症や進行を防ぎ、糖尿病のない人の寿命とQOLを得ることで糖尿病治療の目的です。
血糖値は、食事の内容や量、運動、薬、その日のストレスや体調など、さまざまな要因によって変動します。そのときどきで変化する血糖値を自分で測って記録することにより、どんなときに高く、どんなときに低いのかを把握することができます。なぜ高かったのか、なぜ低かったのか、原因をきちんと考え、治療に活かしていくことが、良好な血糖コントロールに繋がります。
インスリン注射を行っている患者様は、決められた範囲内でインスリンの量を調整しなければなりません。その日の食事や運動量によってインスリンの必要量は変化しますが、自己血糖測定を行うことでインスリン注射の投与量や場合によっては回数を調節し、きめ細かい血糖コントロールを行うことができます。
※お薬の調整は自分の判断で行わず、必ず主治医に相談し指示に従うようにしましょう。
血糖値を測ることで、低血糖状態にいち早く気づくことができます。また、普段から血糖値が高い人は、血糖値が低血糖域に達する前に低血糖症状が出ることもあります。つまり、自覚症状や自分の感覚で判断するのではなくきちんと「実際の血糖値」を測定して対応することが重要となります。
簡易血糖測定器は指先の毛細血管血を検体にしていることや、そもそも簡易の機器ですので、医療機関で測定する静脈血を検体とした血糖値とは誤差が生じます。血糖値は少しの環境の変化でも影響を受けます。測定時間が一緒でも日によって血糖値は異なります。その日の体調、食事時間や内容、運動の有無などを加味して判断する必要があります。
測定した値が高い低いに限らず、ご自身で薬の量を増やしたり減らしたりすることは避け、分からない場合は必ず医師に相談をするようにしてください。
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